令和2年度 税務改正の概要

法人税(法人税法/租税特別措置法)関係

  • オ-プンイノベ-ション促進税制の創設
  • 租税特別に対する大企業の適用除外措置の見直し
  • 賃上げ及び投資の税制の見直し
  • 交際費等の損金不算入制度の延長と見直し
  • 5G(第5世代移動通信システム)導入促進税制の創設
  • 連結納税制度の廃止とグル-プ通産制度への移行
  • グループ通産制度への移行に合わせた単体納税制度の見直し
  • 特定資産の買換えの場合等の課税の特例の見直し
  • 決算金の繰戻し還付不適用措置の見直し
  • 中小企業等の少額減価償却資産の取得価格の損金算入の特例の見直し
  • 売買目的有価証券の時価評価額の見直し
  • 貸倒引当金の対象の見直し

所得税(所得税法/租税特別措置法)関係

  • NISAの改正

① 非課税累積投資契約に係る非課税措置(積立NISA)の勘定設定期間が令和24年12月31日まで5年延長されました。

② 従前の非課税上場株式等管理契約に係る非課税措置(一般NISA)の勘定設定期間終了にあわせ、特定非課税累積投資契約に係る非課税措置が創設され、従前の非課税累積投資契約に係る非課税措置と選択して適用できる

  • ジュニアNISAの見直し

① 未成年者口座内の上顎上場株式に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(ジュニアNISA)について、未成年者口座解説期間は延長されずに終了することとされ、その終了にあわせ、令和6年1月1日以降はn課税未成年者口座及び未成年者口座内の上場株式等及び金銭の全額について源泉徴収を行わずに払い出すことができることとなりました。

  • エンジェル税制の見直し
  • 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除の創設

① 個人が、都市計画区域内にある低未利用土地又はその上に存する権利(低未利用土地等)であることについての市町村長の確認がされたもので、その年の1月1日において所有期間が5年を超えるものの譲渡を令和2年7月1日~令和4年12月31日までの間にした場合には、その年中の未利用土地等の譲渡に係る長期譲渡所得の金額から100万円を控除する事ができることとなりました。

  • 配偶者居住権及び配偶者敷地利用権の消滅と取得費の計算

① 配偶者居住権が消滅等をし.その消滅等の対価として、支払いを受ける金額に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費は、配偶者居住権の目的となっている建物又はその建物の敷地の用に供される土地(居住建物等)についてその非相続人に係る居住建物等の取得費に配偶者居住権等割合を乗じて計算した金額から、その配偶者居住権の設定~消滅までの期間に係る減価の額を控除した金額とされました。

② 相続により居住用建物等を取得した相続人が、配偶者居住権等が消滅する前にその居住建物等を譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算上控除する取得費は、その居住用建物等の取得費から配偶者居住権等の取得費を控除した金額とされました。

  • 居住用財産の譲渡特例の適用と住宅ロ-ン控除の適用の見直し

① 新規住宅を居住の用に供した個人が、その居住の用に供した日の属する年から3年目に該当する年中に従前住宅等を譲渡した場合においてその者が従前住宅等の譲渡につき次掲げる特例の適用を受けるときは新規住宅について住宅借入金等を有する場合の譲渡所得等の特別控除及び認定住宅の新築等をしたい場合の所得税の特別控除の適用を受ける事ができないこととされました。

◆居住用財産を譲渡した場合の長期課税所得の課税の特例

◆居住用財産の譲渡所得の特別控除

◆特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例

◆既成市街地等内にある土地の中高層対価建築物等の建設のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例

  • 国外中古建物の不動産所得に係る損益通算の特例の創設
  • 寡婦(寡夫)控除の見直し

① 扶養親族その他その者と生計を一にする子(総所得金額等の合計が48万円以下であること)を有する寡婦の要件に合計所得が500万円以下であることが加えられました。

② 住民票の続柄の記載次のいずれかであることが、寡婦または寡夫の要件に加えられました

a その者が世帯主である場合には、同一世帯に世帯主との続柄として妻(未届)または夫(未届)の記載がある者がいないこと

b その者が世帯主でない場合には.その者の住民票に世帯主との続柄として妻(未届)または夫(未届)の記載がされていないこと

③ 従前の寡夫控除の特例が廃止されました

④ その者と生計を一にする子を有する寡婦に係る寡婦控除及び寡夫控除額が35万円に引下げられました

  • 国外居住家族に係る扶養控除の見直し
  • 雑所得の金額計算及び確定申告手続の見直し

① その年の前々年分の雑所得業務の収入金額が300万円以下である個人現金主義による所得計算の特例の適用ができることになりました

② その年の前々年分の雑所得業務の収入金額が300万円を超える個人預金通帳や領収書を、その作成年の翌年3月16日から5年間保存しなければならない預金通帳や領収書を、その作成年の翌年3月16日から5年間保存しなければならない

③ その年の前々年分の雑所得業務の収入金額が1000万円を超える個人その業務に係る総収入金額及び必要経費の内容を記載した書類を確定申告書に添付しないといけない

消費税関係等

  • 法人に係る消費税の申告時期の特例の創設

① 法人税の確定申告書の提出期限の延長の特例を受ける法人が、消費税の確定申告書の提出期限を延長する旨の届出書を提出した場合には、その提出をした日の属する事業年度以後の核事業年度の末日の属する課税期間に係る消費税の確定申告書の提出期限が1ケ月延長されることとなりました

② 地方消費税についても所要の措置が講じられます

  • 居住用建物の取得等に係る消費税の仕入税額控除制度の適用化

① 令和2年10月1日以後に、住宅の貸付用に供しないことが明らかな建物以外の建物であって高額特定資産又は  自ら建設をした一定の棚卸資産(調整対象自己建築高額資産)に該当するものの仕入れ等を行った場合 (令和2年3月31日までに締結した契約に基ずく仕入れを除きます)  居住用賃貸建物の課税仕入れ等については、仕入税額控除制度の適用を認めないこととされました。  但し、居住用賃貸建物のうち、住宅の貸付の用に供しないことが明らかな部分については、引き続き仕入税額控除制度の  対象とされます

② 上記①により仕入税額制度の適用を認められないこととされた居住用賃貸建物について、その仕入れ等の日から  同日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間の末日までの間に住宅の貸付の用に供した場合  又は譲渡した場合には、その居住用賃貸建物に係る課税仕入れ等の税額に一定の方法により計算した課税賃貸割合  を乗じて計算した金額に相当する消費税をその第3年度の課税期間又はその譲渡をした日の属する課税期間の仕入れに係る消費税額に加算することとされました

相続税.贈与税(相続税法/租税特別措置法)関係.その他の国税

  • 贈与税についての更生.決定等の期間制限の特例の見直し
  • 振替納税の通知依頼及びダイレクト納付の利用届出の電子化
  • 準確定申告の電子的手続の簡素化
  • 納税地の移動があった場合の振替納税手続きの簡素化
  • 利子税・還付加算金の割合の引下げ
  • 国外財産調査制度の見直し

ちょっと便利な税額表 2020年

2020年9月の税 注意

  • 令和2年度改正では、作為的な賃貸マンション等の支払いに係る消費税の還付等を防ぐため、仕入税額控除の適正化が図られています。
  • その一つが10月1日から居住用賃貸建物の取得に係る仕入税額控除の制限で、住宅の貸付用でないことが明らかな建物で一定の建物仕入れに関しては
  • 仕入税額控除が適用できなくなります。9月末までに建物の売買契約を締結し、契約の締結日に課税仕入れを計上することで、従来通り仕入控除を適用しようとしても、建物の引渡しが10月以降だと仕入税額控除の適用が制限される恐れもあります。